- 09 友人・同僚へのありがとう
- 2019.05.02
好きになったこと、ずっと好きだと思える思い出
友達の彼氏
若い頃好きな人がいました。好き過ぎて好きとも言えなくて、ただ仲間として遊んでいました。
ある時、友達がその人に告白されて、友達からそのことを相談されます。私は自分の気持ちすら誰にも話をしたことがなく、だから戸惑うその子が悩みを私に打ち明けるのはとても自然なこと。でも私はとても辛かったです。友達はその人のことを特に好きでもなかったようですが、悪い人ではないことも知っていたので結局付き合うことになりました。
私はそれを応援しましたが、それでも辛くて悲しくて、でも誰にも相談出来る人もいなくて、苦しい日々を過ごしていました。このままでは駄目だなということだけはわかっていたので、ある日、好きだった人を呼び出しました。どうこうなりたかったわけではなく、けじめをつけたいというただただ私の我儘でした。
「全然(お前の気持ちは)わからなかった」
「先にそのことを聞いていたら違っていたかもしれない」
考え考え話すそんな嬉しくも複雑な彼の返事に、失敗だったなと感じました。万が一、ここで私をつまみ食いしようなんて思うような人だとすれば、私はこの人を幻滅します。本当に自分は愚かだと思いました。なんでこんなことをしようと考えたのか。
でも、二人きりの一晩のデート(?)で、私達には何も起きませんでした。本当にこの人が好きだと思いました。友人にも私にも誠実で、
「なんと言っていいのか全然わからないけれど、なんかこう、ごめんね」
とだけ必要もないのに私に頭を下げました。
彼らは数年後結婚し、私も結婚式に参加しました。夢のように幸せそうな二人に、ただ純粋に幸せを望み拍手と涙。私がそんなことを出来たのも、馬鹿な私に誠実な応対をしてくれたおかげ。ともすればすぐ欲に埋没するような男ばかり周りにいた私でも、その人が極上の人間であったことが今でもわかります。
結婚して子供もいてそんな私が今でも彼という友人に思うのは感謝と尊敬で、私もまたそういった誠実で芯のある人間になりたいと、そういう指針がしっかりと残っています。男の性欲はわかりませんが、息子を育てるようになった今、大事なことを知れた、とても貴重な経験でした。
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