存在を許してくれてありがとう

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両親へ

昔、お母さんから聞いた話、覚えていますか。

「今もそうだけど、昔からお金なくて貧乏でね~。
その中でお兄ちゃんとお姉ちゃん2人生まれたから、
さらに貧乏家庭だったわぁ(笑)
そん中であんたが出来た時、ほんまお父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、他の人らから堕ろせ!って言いまくられて…。
出来た時は堕ろすこと考えとったお母さんやけど、なんで周りにそこまで言われなあかんのよ!って意地になってな?
んでお父さん説得して産んだ(笑)」

と言う話をお母さんは話したことを忘れていたのか何回か言っていました。
初めて聞いたのは小学生高学年の時でしたが、その続きで
「だからあんたは意地でも生きてもらわにゃな~(笑)」
と言われて、私は
「じゃあ意地でも生きなあかんな~。
まぁ現在自殺とか考えてないからそこは安心してや。」
と笑ってはいましたが、今でもずっと頭に残っている話です。

そこから中学生になっていじめを受けたり、
高校生になって先生からのいじめを受けてノイローゼになったりして、
やけになった時期もありましたが、母のその話が頭をかすめ、
自殺などは一切考えることができませんでしたよ。

お父さん…私が知っている限りでは、子供としては可愛がってくれていました。
一緒にお風呂に入った事も、父の腕枕で寝ていた記憶もしっかりありますが、
特別可愛がってもらっていたわけでもなく、
兄妹の中で末っ子として扱っているのだと感じていました。

私が中学でいじめにあっている時も、
高校で担任からいじめを受けて辞めて通信制に転校する話になった時も、
お父さんの反応は「わかった」のみだったので、
とくに興味はないものだと思っていたのです。

しかし、その後私が教育ローンを借りて専門学校に進学し、
そのローン・一人暮らしする生活費などは自分で払うとなった時、
父は最後まで反対はせずとも、住まいが決まって住まいが決まるまで仕事を休んでまで付き合ってくれました。
正直気にしてくれていることが嬉しかったです。

その後、お母さんに預けていた教育ローンのお金、お母さんが仕事に行った先で間違えて持って行って盗まれてしまった時、
お父さんが「その分お父さんが払うから」と言って頑張ろうとしてくれたこと本当に本当に嬉しかったです。

でも生活的に厳しい事は知っていたし、専門学校で学んでいることは仕事に就いてからでも資格は取れるからと思い、私の意志で辞めることを決意して実家に帰ったんです。

だから、お父さん…謝らないで欲しい。
帰ってしばらくしてからお父さんの仕事の見送りしてる時に、
「学校いかせてやれんで…ごめんな」
って頭下げてから仕事に行った姿、
ずっと忘れられません。

4兄妹の末っ子で長男・長女は出来が良くて、生まれることを拒んだ子供…。
なにか問題が起こっても興味はなく、
お母さんに任せていたように思っていたのに、
実際はそんな子供に頭を下げるほど気にかけていたって今更気づいた馬鹿な子供です。

嬉しかった…
悲しかった…
お父さんが想ってくれていた事に気付かなかった私は本当に愚かで幸せ者だと思います。

こうやって私という存在を作り、許し、愛してくれた二人を愛しています。
普段憎まれ口を叩いてしまうけど、本当に愛しています。

本当は存在しなかったかもしれない私を産んで育てて愛してくれて…ありがとう。

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