高校三年間ありがとう

お母さんへ

高校生になって、通学が徒歩からバスになりました。田舎だったから、混雑する通勤通学のバスに乗りたくなくて、始発のバスで通うことを決めた時、お母さんは否定も拒否もせずに「わかった。気を付けてね」と言ってくれましたね。

今ならわかります。あの時、お母さんはすごく大変な覚悟でしたよね。
共働きで働くお母さんは、私のお弁当と朝ご飯の支度の為に、いつもより一時間も早く起きる生活になってしまいました。

誰よりも朝早く起きて、まだ日が昇らない時間から静かに食事の支度をしてくれていました。私が起きるとテーブルにはいつも準備されたお弁当と朝ご飯が用意されていましたね。

それから、お母さんは土日にはぐっする眠るようになりました。平日の朝に眠ることができない分、土日にしっかり寝ていたんですね。
それなのに、土日の朝ご飯が買い置きしたものや前夜の残り物ばかりだと文句を言ってごめんなさい。

朝ご飯を食べる気にならなくて、面倒なのにおにぎりをお願いしたりしても、お母さんは「いやだ」と拒否することは一度もありませんでした。

高校生の三年間。お母さんはずっと一人で私の我儘な生活に付き合ってくれました。私、社会人になって働き出して、そして家庭を持ってやっと気が付きました。あの時のお母さんは本当にしんどかったんだって。

残業で帰宅が遅くなった時だって、洗濯や夕食の片付けをしてから誰よりも遅く寝て、朝は私のせいで睡眠時間が削られてしまった生活を三年間も続けさせてしまいました。

なのに、お母さんはたった一言も「辛い」とは言いませんでしたね。

お母さんありがとう。お母さんのことを考えられなくてごめんなさい。今になってやっとわかるくらい鈍感な娘でごめんなさい。
でも、あの時、私の気持ちを優先してくれてありがとう。今になってお母さんの凄さをわかるようになりました。

私の高校生活を支えてくれて本当にありがとう。

お気に入りに入れる