優しい世界

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私を救ってくれたおばちゃんへ

3年前、私は癌になった。33歳の若さで、3ヶ月の乳飲み子を置いて入院。
気持ちもかなり落ちていて誰とも会話する気にならなかった。そんな不幸のど真ん中で、私を救ってくれたおばちゃんがいる。

私と同じ病室で手術入院していたおばちゃん。他の人へもズカズカと事情聴取していたおばちゃんが、いよいよ私へ質問してきた。「あなたは、随分若いけど、結婚はしているの?子どもは?」と矢継ぎ早に質問。「結婚してます。3ヶ月の息子は主人とおばあちゃんが面倒を見ています。」と返答。そしていよいよ核心へ。「あなたは一体何の病気なの??」とおばちゃん。

このおばちゃんに全てを話すか一瞬迷った私は、癌という事実を隠すことも嫌だったため、全てを話すことにした。すると、今まで饒舌だったおばちゃんが急に黙り、長いこと沈黙が続いた。そして、絞り出すように一言「変わってあげたい」と言い、アメリカ人並みに強く私を抱きしめた。

一瞬、私の身に何が起きたかわからなかったが、私以上に涙するおばちゃんの温もりを感じながら、「私の生きている世界にはこんなにも優しい世界があったのか…」ということに気づいた。

私はあの時、自分だけが不幸で悲しみの淵にいると思っていた。しかし、角度を変えると世界はこんなにも優しいのだということに気づかされた。名前もわからない、あの時のおばちゃん、私を救ってくれてありがとう。私もあなたのように、優しい世界を作れるおばちゃんになります。

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