祖母のピンチで気付かされたありがたさ

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ばあちゃんへ

私が保育園に通っていたころ、母子家庭のため仕事で忙しかった母の代わりに送り迎えをしてくれていたのは祖母でした。

保育園は、徒歩で片道5分ほどのとても近い場所にありました。5分という時間はとても短いですが、その中で教えてくれる祖母の昔話や笑い話はとても面白く、今日はどんな話が聞けるのだろうと毎日この時間をとても楽しみにしていました。
この話を聞くのが楽しみで、毎日保育園に行っていたのかもしれません。

ところがある日の帰り道、祖母の様子がいつもと違いました。歩くのがとてもゆっくりで顔を良く見ると元気がなさそうでした。
どうしたのかなと思っていると祖母が言いました。
「ばあちゃん、今メニエール病っていう病気なんだ。もしばあちゃんが具合悪くなったら近くのお家に助けてって言いに行ってね。」と。
メニエール病は耳の中の器官が腫れてしまい、めまいや耳鳴り、難聴などが起こる病気です。
小さかった私はメニエール病と聞いて、どんなものなのかわかるはずもありませんでしたが、とにかく祖母がピンチだという事は分かりました。
私は残りの帰り道をドキドキしながら歩きました。そして「ばあちゃんを助けなきゃ。」という強い責任感を子どもながらに感じながらゆっくりと進みました。

やっと無事に家に着くと、私は心からホッとしました。祖母を見てみると、祖母も少しホッとした様子で休んでいました。

数日経つと祖母はいつも通り元気になっていました。祖母の元気な姿を見ると、私の気持ちも元気になりました。

あの日、体調が悪くても私の為に送り迎えをしてくれた祖母には感謝しています。
そして、子どもながらに毎日そばにいてくれたことのありがたさにも気づかされました。
本当にありがとう。

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