大盛100円のミステリー晩ごはんをいつも有難うございました

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教授へ

麦わら帽子をかぶり
黒い長靴を履いていることが多くて
自転車はママチャリ
ひょろっとしていて日焼けのシワシワのお顔

その分野ではとても有名な実績のある偉い教授。ボーリングが大好きな教授。ほぼ365日、お正月にも研究室にいらっしゃる教授。一日中天然キャラの教授。夕方外出すると度々職務質問を受けていた教授。。。
これまでの偉業と性格のギャップがすごくてこんなに個性の強い愛らしい教授ですから、多くの学生に慕われていました。私もその一人でした。そんな教授に感謝してもしきれないのが「ごはん」です。

大学で本格的に実験を始めた四回生の頃、私は毎日忙しく夜遅くまで研究室にこもっていました。先輩方も留学生達も同じでした。そんな私達に教授は毎日「晩ごはん」を作ってくれていたのです。しかも破格で。メニューはその日農場で採れた野菜と業務スーパーで買ってきた肉を炒めたものとごはん。味付けは適当、時々外国人にもらった謎の調味料や冷蔵庫の奥から出てきた明らかに賞味期限の切れているものを使って手早く仕上げていました。

一食50円、大盛り100円。

みんな恐る恐るいただきます。口に入れた後、みんなの頭の上にハテナマークが出ることも多々ありました。でもそれが楽しくてみんなで笑い合いながら完食していたのを思い出します。お金と時間の無かった私は、いつも大盛りの教授ごはんを有り難くいただいていました。

もしあの時教授ごはんが無かったら、私はお腹をずっと空かせていたか、実験を諦めていたかのどちらかです。教授のおかげで毎日満たされ笑って実験をすることができ、立派な論文も書くことができたと思います。こんなに良い環境で勉強させてもらえたことを大変感謝しております。

笑って「食べること」がどれだけ大切かということを教えていただきました。私は今その事を自分の子供達に伝えようとしています。そして、子供達が健やかに生活を充実させることができたら良いなと思っています。

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