励ましてくれて、ありがとう

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療育の先生へ

私には小学二年生になる息子がいます。

息子は幼児期から落ち着きがなく、常に走り回っている子でした。手を繋ごうとしてもふりほどいて走り去り、一目散に逃げてしまう。かと思えば好きなことには黙々と取り組み、特に数字が大好きで、スーパーでは値札をじっと見つめて動かず、次々と値段が出てくるレジを通すところを見るのも好きでした。大人の真似っこをすることもなく、数字の出る天気予報を繰り返し見たがるふしぎな子供でした。

お出かけもまともにできない、1歳半健診を目前にしても一言も喋らない息子の子育てに私は疲れ切っていました。
そんな時一歳半健診で保健士さんに声をかけられました。「息子さん、まだおしゃべりが出ないならことばの教室に来てみませんか?」私はそんなものがあるなんて知らず、藁をもすがる思いで参加しました。そこには息子のようにちょっとふしぎな、おしゃべりがまだな子たちがたくさんいました。それは所謂、発達障害グレー児向けの初期療育でした。

初めの面談で先生に言われたのが
「お母さん、今まで一人でよく頑張って来たわね!これからは私たちも一緒に頑張るから少しでも楽にしてね!」
躾が出来ない親と思われていないか、どうしてうまく育児が出来ないのか、なぜみんなと違うの?喋ってくれないの?私の育て方が悪いの?無自覚に自分を責め続けていた私は「よく頑張って来たね」の一言に号泣しました。

私は療育に行くたびに先生に話を聞いてもらいました。そのたびに励ましてくれたり、こうしてみるのはどう?とアドバイスをくれました。涙を流せば抱きしめて、大丈夫!私たちがついてるよ!なんでも話して!と元気付けてくれました。人に頼るということを知らなかった私の重い肩の荷が、行くたびにポロポロと落ちて行ったのです。

息子は通っている間にゆっくりではありながら成長し、出来ないことも随分できるようになりました。そのたびに先生は一緒に喜んでくれて、息子の頭をくしゃくしゃ撫でてくれました。

先生は途中でよその保育園に異動になってしまい、お別れの挨拶をすることはできませんでした。だから改めていつも元気付けてくれた先生に言いたいです。

先生、あの時育児を諦めそうだった私を救ってくれてありがとうございました。息子との接し方を、遊び方を教えてくださりありがとうございました。息子は今普通学級でたくさんの友達と過ごしています。今年になり、もう発達検査には来なくていいよ、と言ってもらえました。全て先生のおかげだと思っています。本当にありがとう!

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