温かみのある上司にありがとう

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部長へ

私が初めて働いていたときの上司である、部長さんに今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

学校を出てすぐの私は、まさに「学生上がり」の女の子といったところでした。アルバイトをしたことはありましたが、今思うとそれはやはり“学生のバイト”として扱われていて、社会人の厳しさを知らなかったわけです。

さあ、やるぞ!と意気揚々と職場に臨んだのですが・・・。何から何まで初めてのことばかりです。ちょっと失敗をすると、この世の終わりとばかりに落ち込んでしまいます。

とにかく周りのことに気を配るなんて余裕はなくて、自分のことで頭はいっぱいでした。ミスしたら、謝ってこれからはミスしないようにする方法を自分で考える、そうするしかないのに、“落ち込んだオーラ”を発していたのです。

そんなダメな新人を温かく長い目で見守ってくださったのが、その部長さんでした。会社から帰るところの私に「一緒に駅まで行こうかな。」と気さくに声をかけてくれたのです。

「僕は毎日冷や汗ばかりだよ。でもね、一日なんとかしようと思ったら何とかなってね、もう入社して20年もたっちゃった。あっという間だなあ。」と道々話してくれたのです。

そうか、部長さんでも冷や冷やすることがあるんだ。と、心が軽くなりました。新人の私を慰め励ましてくれたと気づいたのは、かなり後のことです。

部長さん、自然なお話しで励まして下さってどうもありがとうございました。今も部長さんのような懐の深い人間になれるようにと目標にしております。

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