次はいつ会えますか？

祖父へ

祖父の息が切れるのを、私はひとりきりで見守りました。
恋人で配偶者だった祖母ではなく、私が看取りました。

一度も、私に苦しいという単語を言いませんでした。
一度も、私にしんどいというそぶりを見せませんでした。
【孫】の私には、一度もそういうそぶりを見せませんでした。
私の弱さを知っていたからこその、祖父のやさしさでした。
ありがとうございます。
呼吸の途切れる寸前まで、やさしさをいただきました。
最期に声の代わりに、手を握りしめて笑ってくださってありがとうございました。
そのおかげで、そのあとは冷静に振舞えました。

それにしても、祖母が来るのを少しくらい待っていたらいいのに、最愛の彼女に格好悪いのを見られたくなかったのでしょう。
まったく、ええかっこしいです。
祖母が泣き崩れてどうしようもなくなるのをわかっていて、私が来た途端に息を引き取りましたね。
まったく、本当にええかっこしいです。
祖母が小学生のころからええかっこしいなんですから。

ねえ、おじいさん。
それはそうとして、現世では私たちの時間が終わってしまいましたね。
次は、いつ会えるのでしょう。
私の来世でしょうか。
それとも、現世で私が生きているうちに生まれ変わってくださるのでしょうか。
それとも、三途の川で待っていてくださるのでしょうか。

今の世で、とても良い出会いと関係をありがとうございました。
ね、本当に、ありがとうございました。
すごく、私の人生は生まれた瞬間から、あなたの呼吸が途切れるまで、とても幸せでした。
また貴方に次お会いするのを楽しみに、残りの人生を楽しみます。
ありがとうございました。

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