人生の教訓を与えてくれてありがとう

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バレエの仲間へ

バレエのお稽古では今振り返ると良いことも悪いこともたくさんありましたが、私はそれらから多くを学ばせてもらいました。

まずは踊ること、表現することの楽しさや素晴らしさ。スポーツではなく芸術としてのバレエの魅力。舞台をひとつ踏むだけでも本当に大勢の方の支えがあって成立するという大変さ。社会や世界の成り立ちのようなものを幼いながらに実感として得ることができました。

そして群舞の美しさと難しさ。自分ひとりが気持ちよくなればよいわけではない集団としての舞踏の喜びも苦しみも味わうことができました。

大人になっていま何より思い出すのは、母親同士のいがみ合いや先生を含めた教室への賄賂など当時の私からは到底理解が及ばなかった踊りの裏で繰り広げられていた忖度です。先生がご病気をされた時、あぁどんなに素晴らしく幸せそうに見える人にも必ず不幸が訪れるものなんだと、万事塞翁が馬を心得ることが出来ました。

子どもがただ楽しくお稽古をしていただけのはずが、歳を重ねると記憶の片隅に堆積している様々な場面がなぜか鮮明に浮かび上がります。そして諸行無常を忘れるまいと思いながら日々一所懸命に生きることができます。

あの時に酸いも甘いも教えてくださった先生、先輩たち、同期と後輩たちみんなにありがとうを伝えたいです。

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