具だくさんお味噌汁の想い出

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亡くなったおばあちゃんへ

私は普段はお味噌汁を作りませんが、冬になるとたまに作ります。
それは、かまぼこ、卵、ホウレンソウ、ニンジン、竹輪などが入った具沢山のお味噌汁。
家に遊びに来る友人たちに振舞うと、みな最初は驚きます。
ですが、一口飲むと「おいしいね」と、口々に言ってくれます。
リクエストされることもある程です。

実はこのお味噌汁は、今は亡き祖母が作ってくれたものをまねたものなんです。
小学生のころ、共働きの両親の帰りが遅い日は、祖母が夕食を作ってくれました。
いつも決まって、梅干しのおかゆに具沢山お味噌汁、フルーツだけ。
お肉や魚は出ません。
当時はこの夕食のお味噌汁だけが楽しみで、後のメニューは嬉しくありませんでした。

中学生くらいになると、私が祖母の代わりに夕食を作りました。
その時は色々なメニューを作りましたが、お味噌汁だけは祖母と同じ具材の、具沢山でした。

結婚してからも、お味噌汁だけは祖母と同じ具沢山を作り続けています。
その祖母も1年前の冬に亡くなりました。
この冬はお味噌汁を作っているとき、ふと、涙がこぼれました。
具沢山お味噌汁は、私にとって祖母のぬくもりそのものです。
肉や魚を料理できなかった祖母は具だくさんお味噌汁にすることで、栄養が偏らないようにしたのでしょう。

おばあちゃん、具だくさんお味噌汁をどうもありがとう。
これを作ると、おばあちゃんがそこにいるような気がして心が温かくなります。
天国まで、この香り、届いているかな。

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