- 03 お祖母ちゃんへのありがとう
- 2019.01.07
おふくろの味
とむ2
祖母へ
おふくろの味、それは誰もがお母さんの作ったりょうりの味だと思うことでしょう。しかし、私は違います。
私の母は、私が小学一年の秋、私の誕生日に家を出て行きました。そのあと父と母は離婚したことを聞かされました。そのため家事全般は祖母が率先して行ってくれました。父は私たちが起きる前に会社に出勤し、私たちが部活で夜遅くなっても、まだ会社にいることが多々ありました。そのため、朝食もお弁当も夕飯も全て祖母が作ってくれました。
小学生だったとき、私は、祖母の作る料理が嫌いでした。なぜなら、祖母が作る料理は、おひたしや漬物、和風のものばかりでした。そのため、わざとお腹がすいてないと言いご飯を残したこともありました。
そんなことをしていたある日親戚のおばさんから、こんなことを聞きました。祖母が料理を教えてほしいと頼んできたそうです。そのことを聞いた私は大変驚きました。もともと祖母は料理が上手で、そのおばさんに教わる必要なんてなかったからです。
その日の夜、私の家の晩御飯は、グラタンでした。そう、祖母は、私のためにおばに洋風の料理を教わっていたのでした。グラタンを見たときは、涙が出そうでした。祖母は、私におばのことは一言も言いませんでした。
それからというもの私は料理を残すのをやめました。いつしか、祖母の料理が誇らしくなっていたのでした。いまでは、小さかった頃は恥ずかしくて隠しながらオドオドしながら食べていたお弁当も、祖母が作ってくれたんだと旨を張って言えるようになりました。
私のおふくろの味は、間違いなく祖母の手料理です。
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