天国のおばあちゃんへ

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祖母へ

おばあちゃん楽しくしていますか?
天国の居心地はどうでしょうか?
いつも忙しくしていたので時間を持て余しているのではないでしょうか?

私の両親は私が1歳の時に離婚してそれぞれまた新しい家庭を作ってしまいました。
平たく言うと私は捨てられてしまったのです。
普通であれば施設へと預けられるのですが、父方の祖父母が私たち三人兄妹を引き取って育ててくれました。

その時私の祖母は60歳手前でした。
上は5歳、1歳、0歳の三兄妹を一生懸命育ててくれたことと思います。
私が5歳頃に祖父が他界してからは祖母一人で子育て、家事を一手に引き受けてくれました。

今は親になったので理解できるのですが、三兄妹の子育ての大変さは半端なかったと思います。
それなのにその当時の私はとてもわがままで、お弁当はいつも同じおかずだったので文句を言ったり、参観会に祖母が観に来ることが恥ずかしくて服装や髪の色に注文を付けたりと言いたい放題でした。

一番祖母を傷つけてしまったなと思ったのが、参観会の時に黒い服を着て髪の毛が白髪交じりだった時があり年頃だった私は恥ずかしさから「そんな格好をするなら恥ずかしいからもう来なくていいい」と言ってしまった事がありました。
その時の祖母の何とも言えない表情をした時でした。
いつもは気丈で強気の祖母でしたが、その時は何も言い返さずに私に背中を向けてその場を去っていきました。
その夜、髪の毛を自分で黒く染めていた祖母が居ました。

ごめんね、おばあちゃん。
だけど、ちゃんと結婚式のスピーチの時に謝ったから許してね。

そして、祖母は100歳でこの世を去りました。
私の娘の誕生日と祖母の命日は偶然にも同じ日となりました。
祖母は私が出産した直後に認知症で私の事が分からなくなりました。
そして娘の三歳の誕生日に息を引き取りました。

これは偶然ではなく私はこう思うのです。
祖母にとってなかなか結婚しない私はいつまでも心配の種だったのでしょう。
そして、結婚して子どもを授かり成長し、これでやっと祖母の手から離す事が出来ると思ったのでしょう。
私の人生に道筋が付いたと感じ安心し、自分の役割は終わったとこの世を去っただと私は勝手に思っています。

おばあちゃん、育ててくれてありがとう。

祖母は私たちのお母さんでありお父さんでありました。

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