- 03 お祖母ちゃんへのありがとう
- 2018.05.25
おばあちゃん、ありがとう。
アヤコ
おばあちゃん、私は知りませんでした。
あなたにとって孫は私だけ。私の為に、貯金をしてくれていたんですね。
家族全員、銀行口座がある事自体、誰も知りませんでした。引っ越しの為に遺品を整理していた時に私が見つけた、家族に宛てたあなたからの手紙で口座に貯蓄がある事が分かって、記帳をしに行って驚きました。
こんなに高額な貯金を、どうして黙っていたの?
生きているうちに打ち明けてくれていたら、私はお礼を言う事が出来たのに。
私にも反抗期があって、あなたにひどい言葉を言ったことがありました。
それでも編み物が得意なあなたは、毎年セーターやマフラーを私に編んで送ってくれました。
「 おばあちゃんが入院した 」と電話がお父さんからかかってきた時、留学していた私はすぐにお見舞いに行くことは出来ませんでした。航空機のチケットを送ってもらって、やっと会いに行けた時、あなたはもう既に意識がありませんでした。何の言葉も交わす事が出来ませんでした。
話したいことは沢山ありました。
お礼を言いたかったのに、耳元で呼びかけたけれどもう遅くて、私はあなたからの手紙に最後のお返事を送れなかった事が本当に悔しかった。
最後のお手紙は棺に入れました。
読んでくれたかな?
届いたのかな?
おばあちゃん、ありがとう。
おばあちゃんの孫娘に産まれて、私は幸せです。
天国のおばあちゃんへ。ありがとう、ありがとう、ありがとう。
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