- 04 お祖父ちゃんへのありがとう
- 2021.02.23
ごめんねって言いたかったけど
祖父へ
ありがとう。
たぶん、それが私が本当に伝えたかった気持ちなんだと思うんだ。
最後に会った時、私、「おじいちゃん。ごめんね」って言いたかったんだよ。
言えなかったけどね。
みんな見てたから、恥ずかしくて言えなかったよ。
でも、言わなくて良かった。
最後に「ごめんね」なんて言われたら、おじいちゃん、もっと悲しかったよね。
彼氏に夢中になって、会いに行かなくなったこと、後悔したんだ。
車椅子に乗って、焦点の定まらない目で、知らない介護士さんに、子どもに話しかけるような口調でオヤツをもらっている姿を見て、悲しかった。
おじいちゃんは、怖くて理不尽で嫌な人なんだって、勝手に思ってたんだ。
でも、私が呼びかけた時に、ハッキリと私の目を見て、涙を流しながら、私の名前を呼んでくれた時に、
私、おじいちゃんに愛されてたんだって初めて気づいたんだよ。
おじいちゃん、不器用なだけだったのに、嫌ってごめんね、怖がってごめんねって言いたかった。
何も言えなくなってから、会いに来て、今更、手をさすって、肩をさすって、ヘラヘラ笑いかける、バカな孫でごめんねって。
でもね、おじいちゃん、
私、今はおじいちゃんにありがとうって言いたい。
もう会えないし、伝えられないけど、
ありがとうって言いたいよ。
愛してくれて、ありがとう。
こんなどうしようも無い私を、自慢してくれてたって、亡くなってから初めて知った。
私、おじいちゃんの自慢の孫になるからねって思ったよ。
辛いことがあると、おじいちゃんの目を思い出すんだ。
少し細めて、私の目を見て、涙を流した目を、思い出すよ。
私を愛してくれた人の目を思い出して、強く生きなきゃって思うんだ。
おじいちゃんの自慢の孫になれるように、今からでも頑張らなきゃって。
おじいちゃんのおかげで、私は毎日頑張っています。
おじいちゃん、ありがとう。
おじいちゃんの思い出に勇気と元気をもらって今日も生きています。
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