柔らかく温かなきみ

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アキちゃんへ

新聞の片隅に発見した「アビシニアンと雑種の子猫もらってください」その記事に当時学生だった私は飛び付きました。
アビシニアンという猫の種類の毛の美しさや耳が大きくて可愛いらしいところに、憧れていて、飼ってみたかったのです。
みんなで名前の候補を出し合って、最後にはアキに決まりました。
アキちゃんは小さな子猫で女の子だけど、とても活発で、壁を天井まで登ったりする姿に家族みんなで驚いたものです。
机に向かう私の肩にひょいと乗り、鉛筆を叩いたり、とイタズラもしてきました。
寝るときは、私の部屋で、布団の中で寝てくれましたね。潰さないように気をつけて寝ていたので腕が疲れたけど、ぬくもりが愛しくてそのままでいました。
あまりにも活発だったアキちゃんを心配した結果、私はよくお願いしましたね。
アキちゃんが死んじゃうときは家の、私の布団の上にしてね、なんて。今考えると不吉なお願いですが、当時の私はアキちゃんが外で知らないうちに死んでしまうのが、嫌だったのです。
アキちゃんがおばあちゃんになって、食事も出来なくなって、獣医さんにも首を振られた日、アキちゃんは約束を守って、私のベッドの上で天へと召されていきましたね。
アキちゃんが約束を守ってくれたおかげで、最後までアキちゃんを撫でる事ができたし、大好き、もいっぱい言えました。
アキちゃん、体の不調に気づけなくてごめんね。でも、本当にありがとう。

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