わたしを選んでくれてありがとう

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夫へ

はじめて会った時、私は大学院生と研究関連のアルバイトをしていました。
生まれて24年、恋人なし、定職なし。

ふとしたきっかけでお話をもらい、居酒屋で二人で飲んだけれど、すぐつぶれたのは今でも記憶に残っています。
わたしがお酒好きだからって、無理をしたそうな。
その時はわたしも年齢よりも幼かったから「別にわたしに合わせなくても良いのに。それもすぐ酔う飲み方しているし。3つ年上でこれかあ……」と、何の気も留めなかったです。

その後3年経って、相変わらずの生活が続きました。
研究関連のお仕事は多く舞い込んできたし、他の大学院生よりも恵まれていたけれど、論文を通すのは難しいし、通っても学会である程度話題にならないと意味がないといわれていました。
実家からは研究と結婚の二重のプレッシャーをずっと受けていて、精神的にも参っていましたね。

ちょうど、私が年末年始の旅館の仲居のアルバイトをしながら、その期間に集中して研究関連の資格の勉強をしていた時、知らないアドレスからあけおめメールが届きました。

途中まで分からなかったけれど、あなたでしたね。
あなたはあの後、自暴自棄になりながら自分を省みて、がむしゃらに仕事に打ち込み、3年前よりももっとスキルと地位を得ていました。
同期よりも昇進は遅かったとのことでしたが、3年前よりももっと素敵になった自分を見てほしいという自信に満ち溢れた気持ちは、姿からも感じられました。
わたしも胡坐をかいてないで成長せねばと強く思いました。

わたしたちは昨年結婚し、はじめての事にも挑戦し、お散歩と自炊と節約と掃除を愛する共働き夫婦となりました。

わたしは、はじめて恋をして、晩年はこの人の介護をして看取りたいと思う人に会えました。
あなたはわたしをあきらめず、求めてくれました。
わたしを選んでくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。

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