両親へ

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我を貫き通して生きてきたこれまでの人生。
自分で道を選んできたといえば聞こえは良いかもしれないが、それができたのもいつでも私の思いに耳を傾け、後押し続けてくれた両親のおかげだと思う。

こういう勉強がしたい!!と某有名大学の附属高校に高いお金を出して通わせてもらっていたのに、そのまま進まず受験をして他の大学へ進学。
途中でまた別の道に進みたい気持ちが芽生え、編入学。
通常4年の大学生生活を5年かけて卒業した。
そんなわがままな私の意見にも、「道を決めるのは自分」「親がその後押しをするのは当たり前」「お金の心配はするな」といつでも広い心で受け止めてくれた。

希望の職に就くことができ、歳を重ねるごとに経験も積み、役職も少しずつ上がり、とても誇らしそうによく親戚に私の話をしてくれていた。

そんな中、突然の妊娠。
交際中の相手がいること、結婚を視野に入れてはいたものの、きっと2人には衝撃な話だっただろう。
それでも母は「自分の娘が出産する時サポートしてあげる、というのがここ最近の夢だった」と泣いて喜んでくれた。
父は少し寂しそうに「自分でもう決めたんだろう?」と一声かけて、挨拶に来た彼に「よろしくお願いします」と頭を下げてくれた。

そして出産、子育てをしている今、改めて両親の寛大さを実感する。
こんなに苦労をかけていたんだな、こんな気持ちをさせていたんだなと、いたたまれないような、切ない気持ちに何度も何度もなった。

両親の思い描く、進学、就職、結婚、妊娠、出産ではなかっだと思う。
きっとこんなはずじゃなかった…と何度も思っただろう。

そんなある日、父が「娘を育ててきたからこそ、バージンロードを一緒に歩きたい」と一人で我が家を訪ねてきた。
お金もかかる結婚式。
授かり婚だった私たちにはその余裕もなかなかなかった。
それでも頭を下げる父の思いに主人は心打たれ、小さいながらも結婚式を挙げてくれた。
冒頭から涙涙の父。
ニコニコしながらも顔を背けては涙を拭う母。
これまでたくさんの心配をかけてきたんだなと感じ、また、大きく感じていた両親の背中が小さくなっていることにも気がついた。
自分のことばかりだったこれまでの人生。
両親も同じように歳をとってきたんだなと感じた瞬間だった。

これから先ずっと、きっと両親はいつまでも私の心配をしているだろう。
巣立っても親は親、子は子なのだと思う。
それでも少しずつ、小さくなっていく両親の背中を見つめながらたくさんの恩返しをして生きたいと思う。
今度は私が2人を見守り、後押しする番だ。

お父さん、お母さん、ありがとう。

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