ありがとう

投稿者 

貴方に採用されたのが、一番うれしい。

何て時代錯誤なと思われることもありますが、私は大学卒業後に内定を取れなかった女です。
アルバイトと派遣で食いつないで、自分の望みでもないのに世間や家族からも蔑まれていました。
家族の中でたった一人とても貧しくて、同じころに就職できなかった同級生は親に全面的に税金を払うのを手伝ってもらっているのをうらやましく思いながら過ごす毎日でした。
正規雇用で就職しようにも、短期の派遣で食いつないているうちに、就職活動は「どうせ社会適応能力が著しく低いんでしょう」「あなたに価値はないですね」と面接でも平気で罵倒するような人たちに数多く当たり、心が塞ぎ、引きこもりがちになっていきました。

そしてやっと社員になれるかもしれないとこぎつけたインターン。
同じインターンの先輩として働いていた貴方が
「正規雇用になって、それから1年くらい働けばここで5年働いたことになります。そしたら、転職しても世間的には文句を言われないハズ。転職したら、給料が2倍のところに移る予定です。で、実はもう転職する会社も決まってるんです」と話しかけてきました。
それは会社の忘年会の日のこと。自社ビルの食堂で初めてお話した時にあこがれのインターンの先輩だったので、どうして声をかけてくれるんだろうとドキドキしながら隣に座って話を聞いていました。
「ねえ、僕と結婚してください。貴方が入社してきたときに、好きになりました。貴方を置いてこの会社を立ち去りたくないんです」と。
遠くからいつも先輩にあこがれていたので、びっくり仰天。
周りでビールを飲んでいた先輩や同僚もおどろいて、その瞬間だけ一升瓶が手から滑り落ちて何個か割れました。
私はもうびっくりしたまま
「一緒に、連れて逃げてもらえるなら。ぜひ結婚してください」
と、うっかり口が滑りました。
就職、9年連敗。10年目に、ブラック企業のインターンとして配属。
その、インターン期間中の出来事でした。

ありがとう。
私、貴方に妻として選んでいただけたのが、人生最高の採用です。

FavoriteLoadingお気に入りに入れる
ハートを送る を送る (8
Loading...
スポンサーリンク
>>新しい手紙一覧へ
>>新しい手紙一覧へ