生きていてくれてありがとう

大好きなお母さんへ

いつも仲良しだったお母さん。
夫と喧嘩したり、子育てに自信をなくしたりしたとき、いつも実家に帰って話を聞いてくれましたね。どんなにつらい時もお母さんのごはんを食べると元気がでていました。実家は私の安息の地だったと思います。

そんなお母さんが突然の病で倒れたのは二年前でしたね。病気で生死をさまよい、もう一緒にすごせなくなることも一時は覚悟しました。

でも、がんばって治療にたえて、今も生きていてくれています。歩けなくなったし、うまく話せなくなったし、色々理解することも難しくなってしまったけれど。もう孫である私の子どもを抱くことも甘やかすこともできなくなってしまったけれど。もしかしたらお母さんは、こんな風になってまで生きることをのぞんでなかったかもしれません。

でも、それでも、生きていてくれてありがとう。私は生きているお母さんに会えるだけで嬉しいです。幸せです。いてくれるだけで救われます。

もう今は実家は安息の地ではないけれど、お母さんのために何かできることが嬉しいです。でもお母さんは、私におむつをかえられるのは、本当は嫌ですか？みじめだって思っていますか？

もし私の言葉が届くなら、そんな風に思わないでほしいです。だって、お母さんが生きていてくれるから、こうやって何かしてあげられるのだから。温かい手に触れることもできるのだから。

だから本当に、生きていてくれてありがとう。これからも私が出来ることをたくさんさせてください。いままで私のほうがお母さんにたくさんしてもらってきたのだから、お返しにはならないけれど、これからもさせてください。

お母さん大好きです。今までたくさんありがとう。これからもありがとうって言わせてね。

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