- 13 その他のありがとう
- 2019.06.05
さりげなく助けてくれてありがとう
あの時の留学生へ
私が留学生の皆さんと離れてからもうすぐ7年になります。
写真立てに飾っている皆さんとの写真を見ると、
いつもどうしてるかな?元気にしてるかな?
と懐かしい気持ちになるんです。
日本に残って学生をしている人もいれば
自国に戻って働いている人もいることでしょう。
健康で元気に明るく過ごしていると良いなと
遠くからずっと祈っています。
私が退職した後、元同僚から聞いて驚いたのは
皆さんが私のことを職員ではなく
学生だと思って接してくれていたということでした。
恥ずかしいような嬉しいような複雑な気持ちでしたが、
学生と職員との垣根を感じずに気軽に接してくれていたのであれば
とても嬉しいことだと感じています。
私は学生ではなく期間限定の臨時職員として、
日本人学生と留学生が交流したり外国語学習に励むための
施設の受付係をしていたのです。
留学生に日本語に慣れてもらうために
受付では日本語以外話してはいけないと
職員は指示されていたので徹底していましたが、
伝えたいことを日本語で上手く伝えられず
ジェスチャーや手書きの絵で一生懸命伝える姿を見て
英語を話して良ければすぐ解決するのにと
もどかしい気持ちになることも多かったです。
でも先週まではうまく話せなかった言葉を
スムーズに話せるようになるのを見ると嬉しくなり
これで良かったんだと思えました。
私は施設の閉館時間になると
入口にあるOPENの札をCLOSEに裏返します。
背が低いので背伸びして裏返すのですが、
ある時裏返そうと手を伸ばした瞬間
後ろから誰かが軽々と裏返してくれたのです。
「いつもありがとう。」
と小声で言って走り去っていきました。
それは日本語に苦手意識を持っていて
なかなか話せずにいた留学生だったのです。
さりげなく助けてくれたことと
勇気を出して日本語で話してくれたこと
ありがとうと言ってくれたことに感激して
涙が溢れてきました。
短期間しか勤務しない臨時職員という立場でしたが
この仕事をしていて本当に良かったと思える瞬間で
今でもあの時の感動は忘れられません。
ありがとうと伝えたいのはこちらの方です。
さりげなく助けてくれてありがとう。
そして優しい心遣いを本当にありがとう。
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