恥ずかしくて言えなかった『ありがとう』

お母さんへ

25年間、育ててくれてありがとう。

姉に比べて、すごく不出来な娘だったと思います。
『育てにくい子』だったと思います。

学校を中退したり、非行に走ったり、勝手に仕事を辞めたり…

迷惑、心配ばっかりかけていました。

私が突き放しても、時には怒ってくれて、時には見守ってくれて。一緒に泣いてくれた時もありました。

本当に感謝しています。

そんな私が結婚するなんて、自分自身全く思っていませんでした。

去年、結婚式を挙げる時に、『両親への手紙は読まないの？』と、旦那にも、結婚式のプランナーさんにも、友達にも言われました。

そのたびに『絶対読まない！！』って即答していました。だって、絶対泣いちゃうから。

その時は恥ずかしさが強くて、感謝の手紙なんて読めませんでした。

実家を出る時も、結婚式の時も、『ありがとう』って言ったほうがいいかな、と思いつつも、何だかんだでバタバタしてしまって、言う機会を逃してしまったように思います。
多分、ちょっぴり言い訳も入ってると思うけど。

結婚式当日、私よりも先に、挙式のリハーサルの段階から泣いてたお母さん。
照れて笑っちゃったけど、私も一緒に泣きそうになりました。リハーサルなのに。

挙式本番でも、お母さんの方が先に泣いて、披露宴も目が赤いままなのにずっと上機嫌で。

私たちの写真を撮りに来たり、会社関係の人や友人とおしゃべりをしたり、ずっとうろうろしている姿に、少し恥ずかしい気持ちもありながらも、『喜んでくれたのかな、結婚式して良かったな』と思ったのを覚えています。

でも、結婚式をして1年ほど経った今、『感謝の手紙を読んでおいた方が良かったかな…』とちょっと思うことも。

でも、やっぱり面と向かって言うのは恥ずかしいから、やっぱり言えないと思う。

でも、心の中では、本当の本当に、感謝しています。

お母さん、ありがとう。これからも、よろしくね。

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