- 「ありがとう」コラム
- 2018.08.05
人を幸せにする人が幸せになる、幸福のメカニズム
「幸せ」とは何か、考えたことはありますか?良い人間関係を築けていること、お金があること、愛されていること…?人によって感じ方も違うし、分かるようでやっぱり分からない、という方が多いかもしれません。
心理学の世界でもどちらかというと「ポジティブ」よりも「ネガティブ」についての研究の方が多く、「幸せ」については、最近になって色々なことが分かってきたともいわれています。
今回は、国内で「幸福学」の第一人者ともいわれる、前野隆司教授の調査から分かった「幸せの4因子」と、その一つである「ありがとう因子」についてご紹介しながら、幸せの作り方をお伝えします。
人の幸福は4つの要素で決まる
1,500人の日本人に対しておこなった「幸福学」に関する実験で、人の幸福を決めるのは大きく分けて4つの要因がある、ということが分かったそうです。
大きな目標をもっていること、大きな目標と目の前の目標が一致していること、そのために学習・成長しようとしていること。
2.「ありがとう因子」(つながりと感謝の因子)
人の喜ぶ顔がみたい、私を大切に思ってくれている人たちがいる、私は人生において感謝することがたくさんある、他者に親切にし、手助けしたいと思っていること。
3.「なんとかなる因子」(前向きと楽観の因子)
ものごとが思い通りにいくと思う楽観性、失敗や不安な感情をあまり引きずらない気持ちの切り替え、他者との近しい関係を維持できること、私は人生で多くのことを達成してきたという自己受容。
4.「あなたらしく因子」(独立と名ペースの因子)
他者と比較をせず、自分自身をハッキリ持っていること。
※引用:「幸せのメカニズム」前野隆司著
これらの要素を意識し、バランス良く行動することで、幸せを引き寄せる近道になる、と前野教授は著書の中で伝えています。
「人を幸せにする人」が幸せになる
幸福学の実験で分かった、人の幸福を決める4つの要因の中に「ありがとう因子」があります。
人と一緒に楽しい時間を過ごしたり、愛情に満ちた関係を築くこと、人に何かをしてあげて喜ばれることで、私たちは幸せを感じますよね。
内閣府がおこなった実験で、「社会貢献活動に関わっている人」の幸福度がもっとも高く、実際に関わっていなくても興味を持っている人の方が、興味のない人に比べて幸福度が高いというデータが出ています。
また、「お金を他人のために使った方が、自分のために使うより幸せ」というデータもあります。収入の一部を他の人にあげたり、慈善事業に使う人は、自分自身のために使う人よりも幸福度が高いそうです。
「そもそもお金があるから、人のために使えるのでは?」と思うかもしれません。実は、「幸せ」という尺度でみると、お金を持っているかどうかにかかわらず、お金に縛られていない・こだわり過ぎない人のほうが、幸せを手に入れやすく、長続きするといわれています。
国内外のさまざまな研究で出ているデータでも、「人とのつながりや感謝」を大切にする人の方が、幸せだということがいわれています。
「幸せな心」がさらに幸せを引き寄せる
「あの人は美人だから幸せなはずだ」とか、「この人はお金を持っているから幸せだ」とか、他人から見た尺度は全く問題ではありません。
自分が幸せかどうか、というのは主観です。この主観が何より大切で、「自分が幸せ」と感じている人は、健康であり、なおかつ長寿である、というデータもあるそうです。
今までの考え方では、恵まれた環境があるから幸せになれる、成功したから幸せになれる、と思われていた節がありました。
しかし、最近の研究では「幸せが先にあって、だから成功できる」「幸せな心があるから、もっと幸せを引き寄せられる」そんな考え方が少しずつ広がってきています。
今日からできる「ありがとう」で幸せに!
幸せの4因子、「やってみよう因子」「ありがとう因子」「なんとかなる因子」「あなたらしく因子」をご紹介しました。幸せをつくるのは「お金」「地位」「名誉」「容姿」などではなく、自分自身の心がつくる、ということ。
その心をつくるために、今日からすぐにできるのが「ありがとう」を身近な人に伝えること。「感謝の気持ちをもつこと」ではないでしょうか。
今まで「ありがとうの手紙」の中のコラムでも「ありがとう」と伝えること、感謝の気持ちをもつことが幸せをつくる、ということをご紹介してきました。
ぜひ、「ありがとう」をたくさん見つけて、伝えて、感謝の気持ちを大切に、幸せな心をつくり、さらに幸せな毎日を送っていってくださいね。
大学卒業後、大手証券会社、広告会社、IT会社に勤務し、営業、企画、制作、新規事業立ち上げなど幅広い業務を担う。人が本来のパフォーマンスを発揮するために必要な心のあり方、脳の使い方を学び、実践。2016年にフリーランスとなり、研修講師、ライター、カウンセラーとして活動を開始。人が幸せに生きて働くためのサポートをおこなう。
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