「ありがとう」の気持ちを次の人に

傘をくださった方へ

急などしゃぶりで困っていた娘に、傘をくださってありがとうございます。後で娘から話を聞いて、世の中にこんなに親切な方がいるのかと本当に驚きました。

夕方の渋滞している時間帯に、わざわざ車から降りて、見ず知らずの子どもに傘を差し出すことは、誰もができることではないと思います。娘も突然の出来事に、一言お礼を言うのが精一杯で、かさをどうやってお返ししたらいいか聞いたそうですが、

「そんなことは心配しなくていいから、使って。」
と、おっしゃってくださったと聞いています。どこのだれだかもわからず、感謝の気持ちをどうやって伝えればよいのか、ずっと心にひっかかっていました。

そんな時、ふと何年も前に見た映画のことを思い出しました。「ありがとう」の気持ちをお返しをしてもらった相手にではなく、他のだれかに渡してはどうかと。偶然にも主人公の少年と娘が同い年であることに気づき、娘にそのことを話しました。映画のように善意の連鎖が広がっていけば素敵なことですよね。

後日談になりますが、娘はクラスで孤立しがちな子に声をかけてあげることができたそうです。その子の顔がぱっと明るくなったので、声をかけてよかったと言っていました。こんな勇気をいただけたのも、ひょっとしたらあなたから受けたやさしさが、娘から次のその子へと渡されたのかもしれませんね。

お気に入りに入れる