強さと優しさを教えてくれてありがとう

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ひいおばあちゃんへ

2012年、97歳で天寿を全うしたひいばあちゃん。
私がいちばんありがとうを伝えたいのはあなたです。

ひいばあちゃんはいくつになっても毎日畑に出て農作業をしていましたね。そのせいで曲がった腰、皺くちゃなてのひらを子供の頃は、なぜだか毛嫌いしていました。
優しいひいばあちゃんは、私がどんな態度を取っても決して怒らずいつも笑って優しく語りかけてくれました。ひいばあちゃんは信仰心が深く、いつも仏様に私の健康と幸せを祈ってくれていました。ただ、子供だった私は天邪鬼にそんな優しさすらも嫌がっていました。

大人になるにつれ、何事も素直に受け入れられるようになりましたが、かわりに子供の頃のように頻繁にひいばあちゃんに会いに行くことができなくなりました。

ひいばあちゃんは私にいつも、人に優しくあることと、感謝の気持ちを忘れないことの大切さを話してくれましたね。私はその本当の意味をどれくらい理解できていたでしょうか。もしかしたら聞き流していたのかもしれません。

ひいばあちゃんが体調を崩して入院し、お見舞いに行った時、「大好きだよ、ありがとう。頑張って生きなきゃいかんね」と言って握ってくれた手。とても力強くてでも冷たくて、今でも忘れられません。後から聞きましたが、入院で弱音を吐いてもう死んでしまいたいとずっと言っていたそうですね。その時、ひいばあちゃんをもっと大切にすれば良かったなどと後悔しましたが、後悔しても遅かったのです。

ひいばあちゃんが亡くなった後、戦争で夫を亡くし、その後病気で若くして娘を一人亡くし神様を信仰し始めたことや、怒りを見せないこと、人を笑わないこと、感謝をし続ける決心をして97歳まで守り抜き生きたことを聞かされました。
ひいばあちゃんはそんな模索の日々の中で、不幸から立ち直り、きっと大切なものを手に入れることができたのだと思います。それを大切なひ孫の私にも知ってほしくて伝えたくて一生懸命だったのだとわかりました。

それに早く気が付かなくて、こどもで、本当に本当にごめんね。

だけどひいばあちゃんが教えてくれたことは、自然と私の中に根付いていました。
ふとしたときに、怒ってはいけない、感謝をしようなどと思えるのはきっとひいばあちゃんの教えのおかげなのです。

私に大切なことを教えてくれて本当にありがとう。
もう一度会えたら思い切り抱きしめて感謝を伝えたい。
でもそれは叶わないから、ここで伝えさせてもらうね。
ひいばあちゃんありがとう。大好きです。

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