ここまで育ててくれてありがとう！

おばあちゃんへ

　天国にいるおばあちゃん、心からありがとう。おかんが、統合失調症になってから、つまり産まれた時からずっと一緒だったね。物心付いた時、常に傍に居てくれたのは、おばあちゃんだった。僅かなお給料だっただろうに、毎月ロイヤルホストに連れて行ってくれた。勉強が足りなくて赤点取った時は、一番叱ってくれた。
　そして、誰よりも俺を守ってくれた。おばあちゃんと過ごせたことが、２０世紀で最大かつ最高の出来事です。すべてが感謝のエピソードなんだけど、特に大事な２つを言わせて欲しい。
　１つ目は、小学校の連合音楽会。扁桃腺の高熱が出たとき、欠席はさせず、付いてきてくれたっけ。子供の輪の中におばあちゃんが１人。恥ずかしかったけれど、「責任感の大切さ」を教わったよ。本当にありがとう。
　２つ目は、中学時代に入院したとき。ゲームの買取にいってもらったのに、２４０円にしかならず。おばあちゃんは、病院からバスに乗るお金もなく「ごめんね」と書き残し、歩いて帰ったのを覚えています。このときを境に、「おばあちゃんに恩返しをしたい」と強く思った。
　けれど、俺が社会人からドロップアウトして、結局恩返しが出来なかった。社会復帰して、今なら恩返しできるけど、旅立ってしまった。だから、２つ約束させて。まずは、おかんを大切にし、おかんを俺みたいに社会復帰させる。そして、もう1つは、フィアンセとも約束してるけれど、娘ができたら、おばあちゃんの愛情たっぷりの名前にする。おばあちゃんみたいに強く優しい子。おばあちゃんが最期に育ててくれた子として、家族だけじゃなく社会にも恩返ししていくよ。
　生まれ変わったら、また逢おう。心からありがとう！

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