- 02 お父さんへのありがとう
- 2018.09.13
初めての妊娠、中絶
お父さんへ
私が20歳の時、赤ちゃんを授かりました。
相手の男性は元カレ…別れてからもずるずると体の関係だけが続いている状態でした。妊娠が発覚して私は喜びましたが、彼はそうではありませんでした。彼は父子家庭でしたが父は借金だけを残し何処かへ行ってしまい、祖父母に育てられていました。彼も仕事はしていましたが、経済的にも苦しく、何よりももう終了している恋、中絶するようお願いされました。
1人では抱えきれなくなり姉に相談。そして、両親へと話は進みました。やはり両親も中絶を進めてきました。毎晩、毎晩泣き続け、赤ちゃんがいると思うといとおしくて、産んであげられない悲しさと、悔しさで毎日目は腫れ上がっていました。
産んであげられない、どうして産んじゃダメなの?一人で育てる!ある日、両親と衝突し家を飛び出しました…。心配した親から着信が入っても無視。どうせ何処にいるかなんて分からないでしょ!と思いながら、友達の所へ。
夜の真っ暗な公園で、また泣きながら友達に話を聞いてもらっていたその時「見つけた(*´-`)」とホッとした表情の父がそこにやって来たのです。息を切らしたくさん探し回ってくれていた様子でした。
その帰り道、初めて父の若い頃の話を聞きました。「実はお父さんも昔、付き合っていた人が妊娠したんや、でも結婚してあげられなかった。親にも同じように反対された。若気のいたりなんて簡単に片付けられへんけど、その時は色々な葛藤があったけど、今こうして、お父さんできてることに幸せを感じてる。お前にだって幸せになって欲しい!産んであげたい、産んであげられなくてごめんね。お前が赤ちゃんを思う気持ちは、ちゃんと赤ちゃんに届いてるから大丈夫!」歩き慣れた近所の道が、なんだか違って見えました。
数日後、中絶。やっぱり悲しかったけど、辛かったけど、お陰で初めて父と分かりあえた気がしました。そして、愛されているな~父の子供で良かった!と、感じた20歳の、思い出です。
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