もう二度と会えないお母さん、ありがとう

お母さんへ

お母さん。
私を産んでくれてありがとう。今、こうして生きていられるのはあなたのおかげです。
子供のころに何度も言われた、「お姉ちゃんだからちゃんとしなさい」という言葉が大嫌いでした。私だけどうして窮屈に生きなくちゃいけないんだろう？　ずっと不思議に思っていました。弟が自閉気味で、仕事で忙しいお父さんをしり目に、私たち二人をワンオペで育てなくちゃならず、本当は大変だったのを知ったのはずっとあとのことでした。今なら当時、大変だったことが手に取るようにわかります。
自分がアナウンサーになりたかった夢があったにもかかわらず、生きていくのに精いっぱいで夢をあきらめたお母さん。私がマスコミを目指し、新聞記者となってからは一番の読者で、私をいつも応援してくれましたね。新聞社を辞めて、新たな仕事を始めたときも、「あなたには能力があるから頑張りなさい」と言ってくれたのは、自信になりました。
だけどあの日、小さなことから大きないさかいとなり、「親子の縁を切る」と言われ、もう二度と、この世では会えなくなってしまいましたね。どちらが悪いわけではない。もう会わない方がいいと、お互いに判断したことだと思っています。
だからどうぞ体に気を付けて。遠くからいつも感謝しながらあなたを思っています。
お母さん。産んでくれて、育ててくれて、ありがとう。

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