妻へ残す僕の遺書・・・

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妻へ

20代の頃は、ただ自分に精一杯の毎日で、周りの事なんて考えたこともなかった。
そんな僕が結婚したのは29歳の時で、それからも仕事をしながらバンド活動に明け暮れて、早く子供が欲しいと言っていた君のお腹に、1人目の新たな命が宿ったのはそれから8年も経ってからの事だったね。

きっと、周りの友達が次から次へとママになって自分を責める事も僕が知らないだけで沢山あったんだと思う。
それも全部わかっていた。だけど、自分の夢を捨てきれなくて、そんな僕に全力でついてきてくれた君だから、僕はその先を知る事が出来たんだ。

実際に「そろそろ子供がいても良いよね」って思ってから、実際に君のお腹に宿るまでに結構時間がかかった。体がおかしいのかもしれないって不安もよぎったりもした。
だけど、一切僕を責める事はしなくて、それでもそんな僕についてきてくれた君。

そして、穏やかなこの子を産んでくれた事。

二人目が宿って、コロナウイルスの影響で一人で頑張って出産しなければならなかった事。

今、改めて思います。

母・・・というより、女性の強さって凄いなって。

きっと、僕一人だったら、こんな幸せな毎日が訪れる事はなかったでしょう。
沢山喧嘩もしたし、沢山泣いた。

でも、それ以上に沢山笑った。

その笑顔一つ一つに今は心から感謝しています。

これからも沢山の笑顔を抱いて、その笑顔に沢山感謝して・・・

そうやって生きていく事が出来ればいいなって。

人の命なんて、いつどうなるかなんて誰も分からないと思う。

だからこそ、今、こうして君に、僕の遺書を残します。

もし、僕が先にこの世を旅立って行く事になったとしても。

僕と君が出会って、僕と君が沢山笑い合っていた事を、きっと僕らの子供二人が繋いでくれる。

そんな、僕なりの、君への「ありがとう」の気持ち。

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