見守ってくれてありがとう

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お父さんへ

父と電車に乗って東京へ行く機会がありました。わたしはそのとき、パニック発作になってしまい、やむなく普通電車で行くことになりました。快特電車で行けば30分で着くところ、普通電車は1時間かかります。父は腰痛持ちなのでずっと座っていることはとてもつらいでしょうし、何より、快特電車に乗ればはやく到着して、自由に使える時間がたくさん確保できるのにわたしのせいでそれができません。わたしはとても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。途中下車をし、頓服薬の効き目があらわれるのを駅のホームで待っているとき、さきに快特電車で向かっていてと言ったのですが、父は嫌な顔をするでもなくわたしに寄り添ってくれました。次に来た普通電車に乗っていると、父がわたしにこう言いました。「普通電車は到着までにたくさんの時間がかかるかもしれないけれど、ひとつひとつ着実に前に進んでいるんだよ。急行電車が数分間、どこかの駅で停車している間、この電車はそれを抜かして行くんだよ」。わたしは高校生のとき、病気で大学受験をドロップアウトしていました。それから、大学生活を満喫し、そのまま流れに乗って就職し、自由に使えるお金を自らのちからで稼ぎ出して日々をたくましく生きている同級生たちを外側から見て来ました。父は同級生たちのように「当たり前のように」巣立つことに失敗したわたしを責めなかったし、彼らよりずっと歩みの遅いわたしを「れいはれいのペースでよい」と慰めてくれました。わたしはわたしのペースでひとつひとつ着実に問題を乗り越えていけばそれでよいのだと。わたしは父の言葉をずっと忘れないと思います。お父さんありがとう。

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