- 02 お父さんへのありがとう
- 2020.01.19
届いてほしい「ありがとう」
お父さんへ
厳しかったお父さん。
成績が悪くて怒られた。
算数を聞いたら、わからないから必死になりだしたね。
連れといくのか?と聞いたから、、友達だと思って、うんと言ったら、彼氏と勘違いして、黙り込んでた。
受験勉強の時には、まだやんのか?と何回も様子見に来てた。
大学生の時には、バイトと遊んでばかりで、朝出勤するお父さんに全然会わなかった。
一人暮らしする日には、叔父が送ってくれたから、冷たいと送ってたら、玄関の窓から、こっそり見てた。
頑張りすぎるな。と強く言われ時は、意味がわからなくて、今は頑張り時なんだから、仕事内容違うからわからないくせに。と思った。
プレゼントをあげて気に入ったかしつこく聞いたら、見返り求めるなら、最初からするなと言われた。喜んでほしかっただけなのに、と拗ねたけど、全部使ってた。
機嫌悪かった頃は、早期退職斡旋の人事異動にあってたんだね…全然知らなくて関わらないようにしてた。
退職直前ガンがわかって、闘病してからは副作用で八つ当たりされて、人生を嘆き始めて、励ましても、なってない奴にわかるか!といわれて、世の中には同じ人がいるのに、、と嫌になったから、あまり顔を出さなくなった。
後からお医者さんに治療ではなく、末期の治療所をすすめられ、裏切られた気分だったからだと知った。
あまり良くないと知ってから、慣れない料理を作ったり、好きなお肉を百貨店で買った。
栄養はガン細胞を増幅させるなんて言われたけど、治せないなら、少しでも生きてて良かったと思える瞬間をと思った。
外出が最後かもしれないと思ったから、会社をずる休みして、家族で近隣のホテルに旅行した。ホテルの人に事情を説明したら、とまったこともない特別室を用意してくれて、意外にはしゃいでた父をみて、良かったと思った。
自宅療養してからは、良い訪問看護に出会えて、体には色々症状はあったけど、明るくて。
もう自宅療養が限界にきたときには、優しい看護師さんやお医者様がいる病院に入れて、意識が朦朧としてたけど、氷にしたアイスをあげたら、あーあー、というのをみて、看護師さんが喜んでるのよと教えてくれた。
亡くなる前日から弟が病院に泊まり込んだ。
家族も親戚も最期を見とれたこと、私が手を握っていられたことは、少しは死んでしまう恐怖に寄り添えたかなぁ。
100年時代なんて言われるのに、働いて終わった父の人生。
たくさんやってみたいこと、退職したら…って思ったことあっただろうな。
言いたいこともあっただろうな。
たくさん我慢してくれたよね。
今までやってた趣味が副作用で思うようにできない時のあの悲しそうな顔、忘れられないよ。
もっとこうしたら、この方が良かったんじゃ、あんなこと言わなきゃよかった、いっぱいいっぱいある。
友達のお父さんはこうなのに、とか言ってごめんなさい。
厳しくてもたくさん愛情あったね。
私の中にもお父さんに似たとこいっぱいあるよ。やっぱりお父さんの子供だった。
ありがとね、お父さん。
まだまだ半人前だけど、絶対幸せになるからね。
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