お父さんへ、ありがとうの気持ちが届きますように。

お父さんへ

お父さん、お母さんが亡くなってから数年経ちますが元気ですか？

母の死は突然のことだったので、心配をして電話をかければ、「元気だから心配せんでいい」「何の用なんだ」とうまく会話が進まず、小さい頃よく遊びに連れて行ってもらった親戚のことを聞いても、「もうええやろ」との返事で全くどのように接して良いかわからず、ありがとうの手紙を書くことにしました。

私がハタチを過ぎて人身事故すれすれの交通事故を起こした時、「小さい頃から手がかからなくて、学校でもきちんとやってきて。。。」とポツリと呟き、「こんなことになってしまったけど、お父さんが守ってやるからな」と先方に頭を下げ、示談や金銭的なことを淡々と処理してくれたことを今でも思い出します。

いつもなら怒鳴られたり、時には叩かれたりが普通のことだったのに、そんなことは一切なく、かえってお父さんの無念さ、辛さが伝わってくるようでした。事の大事さにおののいている私を見てショックが大きかったのかもしれません。お父さんのおかげで、トラブルが長引くこともなく、何事もなかったように日常の生活に戻ることができました。

でも波風の立たない日常の中で、その有り難さに疎い私がいたかもしれません。大人になる過程でつまづいた私が今も大禍なく過ごせているのはお父さんのおかげです。遠く離れた土地に住んでいますが、私の気持ちがお父さんに通じますように。

お父さん、私のことを守ってくれて本当にありがとう。

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