- 02 お父さんへのありがとう
- 2019.09.21
大人になってわかった父の優しさ
無口な父へ
私の父は普段はとても無口な人です。
怒られたり頭を撫でてくれた記憶もありません。
だからといって愛されてないなと感じたこともありません。
家族で映画を観に行ったり、ドライブに連れて行ってくれたり。言葉はなくても父と一緒に過ごす空間はとても心地が良かったんです。
父にだけ当たりが強めな母。
「あー、また始まったよ。お父さんも言い返せばいいのに。」
子供ながらに仲裁に入る私。
そんな時でも父は言い返したりはしません。
そっとその場から離れ母と距離をとります。
私は父は男なのに弱すぎる。と思っていました。
私が大人になり酒を飲めるようになったので、父と家の庭で晩酌をしました。
私「もー、今日もお母さんグチグチうるさい。お 父さん嫌にならないの?」
父「おう。今日もうるさいな。俺だってカチンと くることはいくらでもある。でも言わせておけばいい。聞いてやれるのは俺だけだ。それであいつが溜め込まずに済むなら言わせておけ。」
私「お父さんって昔から何にも言わないよね。」
父「言い返したところで何にもならないだろ。一度言い合いになった時にあいつにが言ったんだ。私は感情的になって頭ごなしに物事を言ってしまう時がある。ごめんね、ってな。結婚したんだから今更どうもこうもないだろ」
お父さんはそんなお母さんを受け入れていたんだね。
お母さんを変えるんじゃなくて自分が我慢していたのかな。
『男なのに弱い』なんて思ってごめんなさい。
今想うと、無口だけどどんなことでも受け止めて包み込んでくれるあの大きい背中が心地よかった。
お酒を飲み交わすと、たまに父の頬に涙が伝うんです。
お父さんも自分の思いを話せて楽になってるのかな。
なかなか会いに行けないけど、冬にはまたビールを持って話を聞きに行くね。
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