運動の楽しさを教えてくれてありがとうございます

小学校の担任の先生へ

先生お元気ですか？
先生のおかげで運動の楽しさを知ることができて
心から良かったと思っています。
本当にありがとうございました。

私は運動会や体育の時間が大嫌いな子供でした。
運動会の前日にはカーテンレールに
てるてる坊主を逆さに吊るして
明日は大雨が降りますようにと祈るほど
運動することを避けていたのです。

幼稚園の頃からかけっこではビリ、
小学校の運動会の徒競走でもビリが定位置でした。

球技も苦手なので体育の授業でドッジボールをやると
一番最初にアウトになるのは私です。
ボールが当たるとクラスのみんなが
「またあいつか・・・」
とコソコソ言うのが聞こえてきて、
ボールが当たった痛みよりも
自分の不甲斐なさに心を痛めたものです。

スポーツが得意な人は運動が苦手な人の気持ちなんて
絶対にわかりっこないとショックを受けました。

小学5年の春、クラスの担任になったのが先生です。
担任の先生が男性になったのは初めてで不安でした。
その上、先生は陸上部の顧問をしているスポーツマンなので
体育の授業が厳しくてますます辛くなるんじゃないかと
勝手に思い込んで怖くなってしまったのです。

でも私が間違っていました。
先生は体育の授業で走り方の基本から
私達に丁寧に教えてくれたのです。

走るのが遅くても速くてもいいから
とにかく先生の真似をすることから始めようという
先生の呼びかけは私に勇気を与えてくれました。
そして授業を受けているうちに
私が徒競走でビリになる原因は走るのが遅いのではなく
スタートが大幅に遅れるからだとわかったのです。

スタートダッシュを修正してからは
タイムが面白いように上がっていきました。
先生が私をリレーの選手に選んだ時には
クラスのみんなは信じられないと言っていましたが
運動会で1位になった時には
手のひらを返したようにみんなが喜んでくれたのです。

それがきっかけで下手でもいいから
運動を楽しんでみようと思えるようになりました。
先生、希望を与えてくれてありがとうございました。

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