- 13 その他のありがとう
- 2019.04.13
そんな顔のまま帰せないでしょ
幼馴染へ
幼馴染はずっと私のことが好きです。それは、7年前から知っていました。彼もまた、私がその好意には答えられないことも7年前から知っている。でもたまに会って、お酒を飲んだり、ドライブをしながら近況報告をし合う、不思議な関係が続いていました。
私が社会人一年目の時、私は恋をしました。でもその頃私は派遣社員。お給料も少なくて、交際なんてとてもできない……気持ちに整理をつけようと思っていた時のことです。彼が連絡をくれるのは、知ってか知らずかいつも私が行き詰まっている時なのです。
今回も、突然「最近どう?」のラインが送られてきました。あまり弱みを見せるのは得意じゃないので、当たり障りのない答えで返したすえ。「ぼちぼちかな。」そして、「新車買ったから、ドライブでもしない?」のライン。
仕事帰り、駅で車に乗せてもらうなり、「元気ないでしょ、悩みある?」と当てられてしまいました。嘘をつくのもおかしいので、正直に話します。
いつまでもいつまでも話を聞いて、しっかりと私の気持ちを受け止めつつ、的確なアドバイスもくれました。時には車を止めて、私の目をしっかりと見て。私のことが好きなのに、私の幸せのために私の背中を押してくれたのです。
私の話が終わったら後は雑談。そしてたくさんのギャグで笑わせてくれました。思わず私が吹き出すと、「やっと笑ってくれた。」「何、急に?」「だって、いつも笑顔の人を、こんな辛そうな顔のまま帰せないでしょ。」というのです。
この言葉に私はとても励まされました。私がどんな私になろうと、受け入れてくれる人がいる。味方でいてくれる人がいる。そう思えました。
今では派遣社員をやめて、全く新しい分野で正社員をしています。日々小さな壁にぶつかることはありますが、その度に、あの時の幼馴染の言葉や表情を思い出しています。本当の意味で私のことを思ってくれている彼には感謝してもしきれません。ありがとう。
今はお互い遠い場所でそれぞれの生活があり、直接伝えることはできません。それなのでこちらの手紙に記させていただきます。
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