あの日

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娘へ

ずっと苦手でした。
かわいらしい格好をして。弱々しい存在で、誰かの助けがないと生きていけないような存在が、ずっと苦手でした。
あの日、見たこともないあなたが、突然、目の前に現れるまでは。

何の変哲もない、取り柄のない日々に、色と温度と生きる活力をくれたあなたへ。
なぜ朝起きて、ご飯を作って、お金を稼いで。意味のない「なぜ」を繰り返してきた私にとって、眩しいくらいの世界からきたあなたは、「なぜ」か特別な存在になりました。
きらめいて見えていたのは、私の偏見でしかありませんでした。

毎日、何事にも真剣に取り組み、時にコロコロ笑い、時に愚痴もこぼすけど、とても人間味のあるあなた。
違う世界の人かと思い込んでいたのは私の方でした。
どうせつまらない人生だとあきらめていたのは私でした。
それに気づかせてくれたあなた。
感謝しています。
ありがとう。

あなたのおかげで毎日に感謝出来るようになりました。
当たり前なんて、この世界にはない。
同じ毎日の繰り返しなんてないのだと。
沢山、しんどい事はあるけれど、それ以上の喜びをくれたあなた。
過ぎ去ってみればすべてが今に繋がっている。
そんな存在のあなたが、この家から巣立つなんて。
ありがとう。

たくさん、たくさん幸せになってください。
私の人生を幸せにしてくれたように。
これからもあなたの選んだ世界を、素敵に彩ってください。

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