願いを叶えてくれたみぃちゃん

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みぃちゃんへ

4人兄弟の中で、女は私だけだった。

9歳のとき、一番下の弟が生まれたけれど、私は大泣きした。
女の子だと言われていたのに生まれたのは男の子だったからだ。
叶うはずだった妹の存在が、直前で消えてしまった気分だった。

私の願いは叶わなくて涙が止まらなかったけれど、一番下の弟は天使みたいで、どうしようもなく可愛かったから、叶わなかった願いが大きく表に出ることはそれ以来なかった。

大人になった私は、ミニチュアダックスの女の子と一緒に暮らすことになった。
3ヶ月になる前くらいのやんちゃな天使。犬を飼っているご主人様たちは、自分のことを「パパ」や「ママ」と言う方がほとんどだけど、私はそれがどうもしっくりこなくて結局、一度もその言葉を使うことはなかった。

あなたの呼び名は、「みぃちゃん」。
みぃちゃん、私たちはとにかく一緒にいたね。くっつき虫のように。
「みぃちゃん聞いて」と寝るときに色んな話をしてたよね。
日向ぼっこなんていつもしていたよね。狭いベランダでもしたね。
季節の花をたくさん見たし、初雪は毎年必ず一緒に見たもんね。
みぃちゃんの胸を借りて眠ることもたくさんあったね。
こっちの勝手な都合で、環境を変えてしまったこともあったよね。
それは今でもごめんねと思ってる。

だから、最後に「みぃちゃんの笑顔のため」に選んだ道は、あの時の自分の選択は間違ってなかったと今でも思ってる。そうして良かったと心から思ってる。そこからの約7年という時間の中には、たくさんみぃちゃんの笑顔が見えるよね。家族のことも大好きでいてくれたもんね。

あなたとの約12年という月日のなかで、私は「パパ」にも「ママ」にもなれなかったけれど、わたしたちは「姉妹」のように仲良しでいられたよね。何でも話して、お揃いの髪飾りつけて、美味しいスイーツ一緒に食べて、一緒に眠って、一緒に起きた。仲良しの姉妹だったよね。

あなたは、私の願いを叶えてくれていたんだね。
ずっとずっと憧れていた「姉妹」という存在。妹であり姉でもあったよね、みぃちゃんは。人生で、女姉妹に出会えるなんて思ってもみなかったから、心のそこから感謝してる。みぃちゃんだからこそ、叶えられた関係性だったよね。

最初で最後の、姉妹。唯一無二の、姉妹。
ずっとずっと、大好きだよ。
ずっとずっと、ありがとう。

またね。

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