- 02 お父さんへのありがとう
- 2018.12.10
「お父さん、ありがとう」
父へ
私が自宅で倒れ意識不明で救急車に運ばれた時、父はずっと傍に付いていてくれました。
目を覚ました時も目の前には父がいました。
その時、驚きと喜びが交差する複雑な表情を浮かべ、先生を呼びに行きました。
そして、私は目を覚ました時からリハビリとの戦いが始まりました。
私は普段から高血圧で、医者から指摘されながらも食生活の改善もせずに放置していた結果、突然脳内出血で倒れてしまう結果となりました。
脳出血で倒れた際はできるだけ早期のリハビリが必要となるそうで、治療と平行してリハビリが始まりました。
リハビリはかなりキツく辛いもので、何度もくじけそうになる私に父は「もっとよく腕を動かしなさい!一人の時もしっかりやりなさい!このままだと腕が一生動かなくなるよ!」とうるさく言われるものですから、心の中で「うざいなぁ」と思い、つい父に「リハビリで頑張ってるよ、横から口出ししないで!」と言ってしまいました。
父は悲しそうな顔をし、それから何も言わなくなってしまい、その日はお互いに黙ったままで別れてしまいました。
リハビリがきつく上手くいかなかったせいもあり、私はイライラを父にぶつけてしまったのでした。
心では父に申し訳ないと思いつつも、リハビリと運動から逃げてばかりの私は、リハビリの期限が来てしまいました。
私は「きっとまた父に怒られる!嫌だなぁ」と気にしていたら、父は私に「期限が来たってかまわない!リハビリを続けよう」と満面の笑みで言ってくれた瞬間、父への申し訳なさと恥ずかしさで胸がいっぱいになり、涙が溢れてきていました。
仕事をしながら毎日病院に駆けつけてくれ、毎日のように励ましてくれた父、逃げ出したい気持ちになった時も何も言わずに微笑んでくれていました。
あの時の父の笑顔が今でも忘れられない、こんなに思いやってくれていることも知らずに、自分勝手でわがままだった私。
「本当にごめんなさい…」
結局私の右腕は回復せず、食事も父に全部任せていますが、右腕以外は人の手を借りずに動かすことができるようになり、新しい仕事にも就けました。
今は定年退職した父に、これからは自分の時間を大切に生きてほしい。
「お父さん、あの時はごめんね」
そして、いつかきっと恩返しがしたいと思っています。
「長生きしてね、ありがとう」
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