今までありがとう

私の中では、お父さんが嫌いだった。

私のお父さんは、すぐに怒る。なにかあれば、すぐに他人のせいにする。そして、自分自身が失敗した場合は、何事もなかったようにしてヘラヘラ笑っていた。

カンタンに説明するなら、自己チュー、短期、自分主義、わがままのもっとも人間にとっては悪い部分しか持ち合わせていない性格だった。年を重ねるごとに、その問題部分は増す一方。

正直、嫌いの一言でしかない人物でした。

しかし、そんな父親が突然倒れました。

脳梗塞を発症し、全身麻痺。自宅で介護をする日々となりました。最初こそ、こんだけの傲慢ぶりが祟ったのだと思って、心の中では「ざまぁみろ！」と思いました。

しかし、それは時間とともに別の気持ちになりました。ふと思えば、小さいころはお父さんと一緒に出かけたこと。食べたもの。そういった思い出がよみがえるのです。

今ならわかります。
父親のありがたみ。
本当に、ありがとう

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