- 06 夫・主人へのありがとう
- 2020.08.24
病気に「ありがとう」
夫へ
このことについては、うまく言葉で伝えられる気がしない。誤解を与えてしまいそうな気しかしないから。だから、こうして匿名の文章として、整理する意味も込めて手紙を書きたいと思う。
あなたが病気になって、1年半以上が経った。手術も無事に終え、その後のキツイ通院治療も本当にしんどかった中、乗り越えていってくれた。私は一緒についていく、そばにいる、それくらいしかできなかったけれど、くじけずにやり抜いてくれた。
正直なところ、あなたが病気をする前と後で、自分の中で大きな変化があったと思う。仕事のことや、あなたとの新婚生活の中で、ストレスを感じることも多かった。自分のやり方を通せない、通したいという気持ちが強かったように思う。
でもあなたが病気になって、「他のことは瑣末なことだ、一番大事なのはあなたがそばにいてくれること、ただそれだけ」と心から感じることができた。
それからは、仕事ではいい意味での割り切りが生まれた。会社や取引先とのやり取りでも、相手を尊重することができるようになった。あなたとの暮らしの中でも、すぐに感情をあらわにする前に、一度落ち着いて考えられるようになった……と思う(完璧ではないけれど)。
「すべてのことに意味がある」とか「神は乗り越えられる試練しか与えない」なんて言うけど、今回の病気についても、マイナスだけじゃない、これから二人で生きていく中で不可欠だったのかもしれない、なんてことを感じている。
病気になったあなたに直接こんなこと言えない。病気の本当の辛さは、あなた自身しかわからないから。軽々しく口にするようなことじゃないってこともわかっている。だからこうして手紙にしてみた。まだ決して安心していい段階じゃない。今後何年も、十年単位での経過を見る必要があるからだ。
けれど、どんなことがあっても「あなたと一緒にいたい」という気持ちだけは変わらないことをここに宣言しておきたいと思います。
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