素敵な家を建ててくれてありがとう

お父さんへ

私たち夫婦の新居を建ててくれてありがとう。
お父さんが大工をしていたので適切なアドバイスのもと、お金をかけた方がいいところを教えてくれたので、満足のいくお家ができました。

基礎から細かいところまで丁寧に写真を撮って残してくれたので、今でもたまに見返しては懐かしんでいます。
お父さんがプレゼントしてくれた壁の飾りも家に帰るたびに眺めて懐かしんでいます。

そんなお父さんがまさかこんなに早く天国に行ってしまうなんてあのころには考えもしませんでした。

今思うと、お盆に実家に帰省した時、お父さんがとても老けて感じました。
そしてとても疲れているなとも。
まさかお父さんに病魔が忍び寄っているなんて思いもしなかったから、仕事が忙しくて疲れているんだろうなとしか思いませんでした。

あれから、一年も経たずに天に召されたお父さん。
全身にガンが転移していたにもかかわらず、抗がん剤の副作用もほとんどなく、最後まで大した痛みもないなんて、先生もビックリするくらいの状態でした。

これは、生前のお父さんの生き方がよかったからだとお母さんとも言っていました。

お父さんは私が知る限りでも、たくさんの苦労をしてきた人でした。

あまり話すことはなかったけど、心の中では色々な悩みを抱えていたことと思います。

わたしが、大して苦労もなくここまで生きてこれているのはお父さんとお母さんが大切に育ててくれたからです。

ありがとう。

そちらはどうですか？

もう辛いこともないと思います。
そちらではどうか安らかに眠ってくださいね。

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