ありがとう

おばさんへ

母のお姉さんにあたるおばさんへ。とても感謝しています、ありがとう。

子どもは子供同士遊びなさいと、学校で言われて無理やり鬼ごっこをさせられたり追いかけっこをさせられたり。あんなに苦痛な時間はありませんでした。本を読めば叱られ、手に取れば怒られる日々。

そんな中で、本しか読まずにほとんど外で遊ばない私を叱らなかったのはおばさんだけでしたね。
自分もそうだったと、本を取り上げるどころか次から次へと本棚丸ごと
「好きなだけ読みなさい」
と、何週間も泊りがけで本を読ませてくれました。

学校の図書館の本は、小学校の頃はほとんど読んでしまい、中学生では私立だったので小中学部の両方の図書室の本をほとんど読みつくし、高校時代は図書予算が私の希望する本で数十万円ぶっとんでしまうという騒ぎをおこしてしまった私に「好きなだけ読みなさい」と、自宅を開放してくれるとは思いもしませんでした。

おじさんは小難しい哲学の本から、旅行雑誌まで。おばさんは文学作品から翻訳物までを幅広く読むタイプで、私はむさぼるようにそこで本と遊んですごしました。

読むのが楽しくて、それを許してくれる時間と環境を作り出してくれたおばさんには頭が上がりません。

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