小さな手からパワーをありがとう

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息子へ

当たり前のように毎日一緒に過ごすあなたへ…
本当に手のかかる泣き虫で気難しい子だった息子。
慣れない子育てにイライラし、なぜ泣いているのかも分からずに手をあげそうになる自分を押さえるのに必死な毎日でした。

シングルマザーとして働きながらあなたを育てることは、想像していたよりもはるかに大変で、いっそ二人で死んでしまったほうが楽なのでは?とゴールの見えない子育てに全てを飲み込まれそうになる事もしばしばありました。
こんな私が母親じゃなければ、この子はもっと幸せになれたかもしれない。
一人で育てる!なんて、ただの自分のエゴだったのかもしれない…
そんな気持ちで過ごす私の背中を押してくれたのは、他の誰でもない小さな小さなあなたの手でした。

今日も疲れた…と、一通りの用事を済ませ、あなたを寝かしつけようと添い寝の体勢に入ったある日。
あなたの前ではなるべく疲れは見せないように元気に振舞っていましたが、感受性の豊かなあなたは誰よりも敏感で、そんな私のことを見透かしていたのかもしれません。
いつもは「トントンして」とおねだりするはずのあなた。その日は違い、あなたから私の胸をトントンとやさしくたたいてくれました。
「どうしたの?」と聞くと、満面の笑みで「いっぱい寝んねして、元気になりますようにー」と言ってくれました。

言葉もまだまだ覚束ない頃の出来事なので、きっとあなたは覚えてないでしょうね。
でも、私は一生忘れません。
あなたの精一杯の優しさと無償の愛を感じたあの日から、あなたと過ごす毎日がより一層輝いて、日々の大変なこと以上の楽しさや愛しさを感じることができるようになりました。

あなたがいてくれたから、今の私が生かされている。
小さな手からもらった大きなパワーは今も私を前に進めてくれています。
いつも本当にありがとう。
これからも誰よりも愛しています。

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