人生のペインティング

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アリサさんへ

高校生の初夏、親の事情で慣れ親しんだ地元を離れ、新しい街で暮らし始めた。もちろん以前通っていた学校にも行けなくなり転校した。

元々、そこまで積極的な性格ではなかった私はなかなか新しい学校に馴染めずにいた。一カ月ほどでクラスメイトの顔や名前も覚え、それなりに話すようにはなった。でも、どこか見えない壁があるようで少し寂しさを感じていた。

1人だけ、仲良しと言っても良い関係になった子がいた。くるくるした茶色いショートヘアの彼女は初日から私に興味津々で「どこから来たの?」、「何が好き?」など私を質問攻めにしてきて最初は少しウザったく思っていた。それでも、学校で私に話しかけてくれる人がいるということが心細かった学校生活での支えになり、慣れない学校にも毎日通えた。

彼女は私と他のクラスメイトの仲を深めようとカラオケに誘ってきたり、放課後皆でタピオカを飲みに行ったりした。それもあり、一年後には転校した学校にもすっかり慣れて行った。二年後、私たちは高校を卒業し、別々の大学へ進学した。

高校生の頃は彼女の存在の有難みがわからずにしたが、今こうして振り返ると私の高校生活に色を付けてくれたのは彼女だった。
彼女は今、異国の地でワーキングホリデーをしている。なかなか会えないのもあるが、直接、顔を見て言うのも照れくさい。ここで彼女への感謝の気持ちを表現したかった。

アリサ、私の人生をカラフルにしてくれてありがとう。

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