18年前に言えなかったありがとう

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父へ

高校3年の冬、私が大学受験に失敗したときのこと。それまでずっと学校の成績もよく、親戚の間でも期待されていた私。18年間の人生ではじめての大きな挫折でした。お父さん、お母さんも正直がっかりしただろうなと思います。

田舎の離島育ちだった私はまさに井の中の蛙で、将来の夢を見据え、塾に通い、必死に勉強している子たちが大勢いる、そんな子たちがライバルになるのだということが想像しきれていなかったのです。友達から続々と合格の連絡がくる中、不合格通知を握りしめ、ただただ泣きました。

そして、「もう働く」と伝えたとき、いつもはお調子者なお父さん、あなたは真剣な顔で言いました。「お前は自分の力がわかっていない。信じていない。島を出て広い世界をみなさい。いつまでここでくすぶってるつもりなんだ。もっとできるのに。自分の人生をもっと真剣に生きなさい。」

私はまた泣きました。島を離れ浪人させてもらい、大学に行かせてもらったこと、目を覚まさせてもらったこと、感謝しています。今、私はもがきながら自分の人生を真剣に生きています。本当にありがとう。

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