尊敬するたった一人のおじいちゃんへ

おじいちゃんへ

おじいちゃん、おじいちゃんが天国に逝って、1年が経ちますね。
小さい時にお父さんとお母さんが離婚して、私にとって、おじいちゃんって呼べる人は、ずっとおじいちゃんだけだったよ。
自分の家族はみんな、バラバラになってしまったけど、おじいちゃんが初めて入院したときに、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、私が20年ぶりくらいに揃ったよ。いつも心配かけてばかりでごめんね。
複雑な事情がありすぎる家系なのかな？

おじいちゃんは、「わしが生きてるうちに会いに来い！死んでからはこんでいいからな。」って、言ってたけど、私は胸を張って、おじいちゃんに会いに行けるように必死でやってみたけど、おじいちゃんが急に逝ってしまって、約束が果たせなかったことが悔しかったよ。でも、96歳まで待っててくれたね。本当にありがとう。

おじいちゃんのお通夜の時に、おじいちゃんのアルバムをおじさんに見せてもらったの。おじいちゃんはいつも、自分のことは言わない。
アルバムに映るおじいちゃんの歴史を見て、涙が止まらなかった。
おじいちゃんは、日本人じゃなかったんだね。たくさん苦労してきたね。
おばあちゃんが突然いなくなって、病気なのに父子家庭で、お母さんたちを育てて、たくましくって、だから、泣き言なんて聞いたことないのかな。

その時におじさんから、聞いたよ。「幸せになれ！努力して幸せになれ！」って言ってくれていたんだね。私の病気がやっと良くなってきて、これから元気な姿を見せに行くはずだったのに、間に合わなかった。
ごめんね。おじいちゃんの孫の中で一番できの悪い孫な私。
本当にごめんなさい。

でも、もう謝ることはやめて、努力して幸せになるって決めたから、見守っていてほしいです。再発しちゃったけど、また頑張るからね。

おじいちゃんのお墓を見た時に、お墓にはおじいちゃんしかいないのに、横にもう一人の名前が刻まれていた。このお墓は、生前におじいちゃんの意向で自分で建てたお墓だよね。家族を見捨てて出て行ったおばあちゃんの名前があって、実は、おじいちゃんはずっと、数年前に亡くなったおばあちゃんの命日に、法事をしていたって聞いたよ。おじいちゃん、優しすぎるよ。お母さんはまだ、自分のお母さんを許せていないのに。

おじいちゃん、おじいちゃんの生きざまを見て、強く生きることを約束するね。それを私の子どもたちにも伝えていくからね。
努力して幸せになる！この言葉を送ってくれてありがとうね。

大好きなおじいちゃん。私のおじいちゃんでいてくれてありがとう。

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