お姉さま(お兄さま)あのときはありがとうございました。

投稿者 

自転車をなおしてくれたお姉さまへ

深夜の居酒屋でアルバイトをしていたころ、渋谷で仕事を終え、青葉台の駅に着いたのは、1時半位でした。そこから、駐輪場に向かい自転車でアパートまで向かうのが日課。いつものように鼻唄を歌いながら。

しかし途中まで来たとき、あ、あ、あれれれれ。ぺ、だ、る、がこげない。いったいどうなってんの。キャー。スカートの裾がおもいっきり絡まってる。チェーンに巻きついていたのです。

動くに動けなくてはたと困り果てていたとき、そこにひとりのお姉さまが。どうしたの?と声をかけてくれました。しかしその声はまさにお兄さま。ちらとお髭も。

あの、スカートがというか言わないかのうちに、お姉さまはチェーンをガシガシはずしてくれました。きれいなワンピースなのに手は油で真っ黒になりながら、スカートをはずすと、はい。できたわよ。といいつつもう前を歩き出してる。

お姉さま、せめてお名前を。という私に、困ったときはお互いさまでしょ。と去っていってしまいました。あっけにとられお礼もろくに言えなかった私。あとで本当に後悔しました。その後もう二度と会うことはなくて。あのときは、本当にありがとうございました。手を真っ黒にしてくれたお姉さま、本当にかっこよかったです。

FavoriteLoadingお気に入りに入れる
ハートを送る を送る (9
Loading...
スポンサーリンク
>>新しい手紙一覧へ
>>新しい手紙一覧へ