まだ、帰ってくるような気がして

おとうさんへ

お父さんが急逝して、もう５年が経とうとしています。
日本はいま大雨洪水による大災害で、多くの人が災害派遣されています。私はいま、そんな方々の後方支援の仕事をしています。

お父さんも、どこかで大雨や洪水の危険が及ぶと、作業服に着替えて飛んでいって、１週間は平気で帰ってこないことがザラでしたね。当時はよくわからなかったけれど、私自身がお父さんと同じ仕事を選び、今になってお父さんとこんな大変な仕事をしていたのかと気がつきました。

亡くなる前夜、あんなに笑顔で酔っ払って帰ってきたお父さん。あれが元気なお父さんの最期だったなんて信じられません。私は今でも、お父さんはどこかの災害対応で出張しているような気がしてなりません。そしてまた、いつものように「よう！」と汗だらけの下着をお土産に、ふらっと帰ってくる気がしてなりません。

お父さん、極楽浄土でのんびりしているのかもしれませんが、私たちのことも忘れないでね。
私がお母さんを守るけど、いつかはちゃんと迎えに来てあげてね。待ってるからね。

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