静かな努力にありがとう

お父さんへ

私は、小さい頃から何一つ不自由なく、のんびりした雰囲気に包まれて育ちました。
習い事も海外留学も、私が興味を持ったことは「いいんじゃない？頑張ってみなさい」とチャンスを与えて応援してくれたお父さんとお母さん。今思えばとてもありがたいことだけど、あの頃はそれが当たり前だと思っていました。

でも、この前の法事で酔っ払った叔父さんがポロッと言ったことは、私にとっては予想外で、思わずお父さんとお母さんを問い詰めてしまったね。

小さい頃から週末になるとよくゴルフに行っていたお父さん。「またゴルフ？たまにはどっか連れてってよー！」なんて愚痴を言う私に、「悪い悪い、また今度な」と困ったような笑顔で言っていたけど、本当は叔父さんの仕事を手伝っていたんだね。

私たち兄妹の習い事や学費のために週末も働いていたなんて、全然知らなかったよ。私たちが気を遣ってやりたい事をやめないように、とても地味で静かな形で応援してくれていたんだね。「子供たちには絶対に言うなよ」と口止めされていたってお母さんから聞いて、その優しさに涙が止まらなかったよ。

いつも家族のために静かに頑張ってくれて、本当にありがとう。これからは私も、静かな形で恩返しができればいいなと思っているよ。

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