初めて見た涙がわすれられません

昨年の今頃亡くなったおじいちゃん。

本当に本当にありがとう。

生まれてからずっと一緒に暮らしてきて、沢山一緒に遊んでくれたけど、一度も「ありがとう」と伝えたことは無かったですね。
遅くなったけどありがとうを伝えます。
天国で安らかに過ごして下さい。

おじいちゃんが病気が重くなって病院に入院しているとき、私は一人でよくお見舞いに行きました。
これまであまりおじいちゃんの為に何かしてあげられたことは無かったけど、生まれてからずっと一緒に暮らしてきたおじいちゃんが、弱ってしまった姿はとても見ていて寂しかったです。
毎日畑仕事をして、近所の人の為に、草むしりをしたり道具を直してあげたり、みんなに感謝される働き者のおじいちゃんでした。

そんなおじいちゃんが私がお見舞いに行ったある日「わしはこれまで一生懸命はたらいてきた。年をとってからも畑仕事をしたり、山に登ったりとにかく動いて頑張ってきた。だけどこうなってしまったらもう終わりだ。人間動けなくなったらもうだめだ。健康が一番だよ」そう私に言いました。病気で弱っているかと思ったけど、頭はとってもはっきりしていて、体が思うように動かなくなった自分をはっきり認識すると同時に、私に健康を大事にするんだよと言い聞かせてくれました。

おじいちゃんからそういった話を聞いたのは初めてでとってもびっくりしたのと、同時に凄く現実が身にしみて悲しくなりました。

そしてお見舞いから帰るとき、おじいちゃんは私の手を何度も握り返してきました。
帰って欲しくなさそうで。ますます悲しくなりました。
なんどもっとおじいちゃんといっぱい話していっぱい感謝してこなかったんだろう。
もう時間がないじゃないかと、後悔しました。

そして「それじゃあもうそろそろ帰るね」と私は言って手を離したとき、おじいちゃんの目から涙がこぼれました。

信じられませんでした。初めてみた涙でした。

私は病室を出て号泣しました。

おじいちゃん、今までありがとう。

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